大都会で一人きり

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大地震で揺れる高層ビルの38階で死が訪れたときに備えて遺書を書いた。

遺書を書きながらまだまだ両親への恩返し仕切れていないことを悔やんだ。
母に孫の顔を見せてあげたかったなぁと涙した。
父にこれまで見守ってくれてありがとうと言っていなかったと悔いた。
姉の顔も、祖父母の顔も、もう他界したゴンの顔も頭に浮かんだ。

遣り残したことがたくさんあることに気づいた。まだ死にたくないと思った。
死ぬ前に大切な人にありがとうと言いたくて必死に電話した。

立ち止まっている暇なんて無い。横道にそれている暇も無い。まだまだやりたい事が沢山ある。

故郷の友達から、大阪の友人から、オーストラリアの友人から安否確認のメールが来たときは嬉しく思った。僕が家族の顔を頭に浮かべたように、彼らもまた僕の顔を思い浮かべてくれたはずだ。

今ここに命あることを感謝しなければならない。そして遣り残したことを全てやらなければならない。
決意新たに今を生きる。僕は今ここに生きている。

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