2011年1月アーカイブ

幼い頃僕は貧乏だった。

新品の自転車を買うお金も無いし、ビックリマンチョコを買うお金も無い。
キャラクター入りの筆箱を買うお金も無かった。

普通に生活は出来ていたけれど相対的に見て僕は貧しかった。

だからといって文句は言わなかった。文句を言えば母が困ることが分かっていたから。
欲しがれば母が困るのが分かっていたから。

蓑虫やダンゴ虫と夕暮れを共にし、テレビの音が無い家で机と向かい合った。
静けさの中、ヘッドライトが動くのを二階の窓から見つめた。

だから僕は今でも窓から空を眺める。全てを回帰させるために。
ピアノのメロディを聴きながら人生を振り返る。


強い想いこそが自分が幸せになる路だと信じて生きてきた。
時には我慢することが将来のためになると思い歯を食いしばった。
周りを敵に回そうとも自分の意思を貫いた。
生意気だと言われようとも信念を貫いた。
何度も何度も思考を巡らせて経験を知恵へと変えた。

バスケットを辞めて12年。もう涙すら出ない。

バスケットを辞めてから12年。
校庭のベンチで朝日を見てから7年。本屋で村上春樹の本を手に取ってから8年。

初めてアメリカに足を踏み入れた日から7年。
屋上に忍び込んで夢を語った夜から10年。渡り廊下で将来を思い描いた時から13年。

酔い潰れて小川に吐いた日から9年。うな垂れて人生がいやになった日から9年。
自分の決断を後悔した日から6年。初めて高揚を覚えてから15年。


バスケットを辞めてから12年。

2011年9月

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