童貞か同定か定かではないけれども僕は渋谷のハチ公前で彼女を待つ。
初めて二人でデートした日に待ち合わせた場所で僕は彼女を待つ。
緊張により手は少しばかり汗ばんでいる。
人ごみの中で僕は金色の帽子を探す。彼女が目印にと言っていた帽子を探す。
待ち合わせの時間は刻一刻と迫っている。
遠めに金色の帽子がこちらへと近づいてくる。僕の視界で占める割合が大きくなる。
僕は金色の帽子へと近づく、金色の帽子は僕へと近づく。
彼女は僕に「待った?」と問いかける。
僕は「ううん。今来たところ」と答える。
僕は汗ばんだ手で彼女の手を掴む。二人はスクランブル交差点へと歩みだす。
