冷ややかな夜に秋の訪れを知らされて顔に跳ね返る小雨の中バイクを走らせる。
前を走るワゴンのバックライトは赤く信号は青い。
夜が明けようとしていて、やがて街頭の存在感が失われていって当てもなく道と言う道を駆け抜ける。
木々は光合成の準備に取り掛かり、虫は短い一生の中で限られた時間を静かに過ごす。
路面は濡れていてガソリンの残りは半分を切っていた。
僕よりも一回り若い世代の感情がコンビニエンスストアの前に屯する。
ガソリンスタンドの前を走り抜けると眠そうな顔をした青年がこちらを見ていた。
ラブホテルからセックスを終えた男女が少し気まずそうに出てきた。
イヤホンから聴こえる一定のリズムは僕の鼓動とリンクする。
心の鍵が音も無く壊れていくのが解った。
