おそらく28回目の夏だと思う。生まれてから幾度と無く夏を過ごしてきた。ギンギンに照りつける太陽の中、木陰に身を置いて心地よい微風を感じながら、木々の葉が揺れ動く姿を見つめながら夏の開放感に浸りながらアドレナリンと締め付けるTシャツとに絡まれながらクルクルと回った。
28回目の夏も彷徨い続けている。
こんな暑い日はキンキンに冷えたグラスに絞りたての生ビールを注ぎ、口からこぼれ落ちる勢いで喉へと流しこみ体全体へとアルコールを送り込み、暑さとアルコールの濃度とに理性なんて彼方へとぶっ飛ばして誘惑と欲望と願望とダラダラと流れ続ける汗の中に毒々しいアバンチュールを感じながら、冷静と情熱との間を往き来する毎日から冷静さだけを取り除いて、ただひたすら己の体が欲するがままに全てを受け入れることで自分の存在意義を再確認する。だから真夜中の3時になると眠らない街歌舞伎町へと繰り出すし、朝6時になれば一通り使い果たした精力を拾い集めるためにファミリーレストランへと足を運び分厚いステーキを食べてグラス一杯のビールをまた喉の奥へと染み渡らせる。そんな1日のサイクルを30回も繰り返せばやがて夏も終わり、また1年後のアバンチュールへ向かって冬眠の中へと身を潜らせる。
