僕がアメリカに住んでいた頃、一部の富豪とBarbershopを除いて、殆どの家にテレビは無かった。
Jakeはテレビを持っている数少ない富豪の一人だった。
僕は週末になるとJakeの家へ出かけ、一日中ビールを飲みながらテレビを見た。
彼は、どこの国で作られたか解らないビールが好きで
僕は安物のビールと引き換えにテレビを見る時間を作れたわけだ。
彼はビールとテレビが大好物で、その二つさえあれば何も必要としない。そういう人間だった。
彼の口癖はこうだった。
「僕はビールとテレビさえあれば何も必要としないんだ、時間さえもね」
「ある意味そうかもしれない」僕はいつもと同じ相槌をする。
彼はBaseballが好きで、誰それの投げ方が変だとか、守備がうまいだとか
僕は耳にタコが出来るぐらい同じ話を聞かされた。
ビールが無くなると彼は無言でベッドルームへ行き、そのまま音も立てずに眠った。
そのせいで後片付けはいつも僕がやった。
自由の女神が生きる国で、僕が出会ったJakeと言う人間は本当に変わった人間だった。
そのおかげで僕は色々な世界を見ることが出来た。
